通関とは

通関(つうかん)とは、貿易において貨物を輸入及び輸出をしようとする者が、税関官署に対して、貨物の品名、種類、数量、価格などに関する事項を申告し、必要な検査を受けた後に、輸入の場合は関税など必要な税金を納入させ、税関から輸出入の許可を受ける手続きのことをいいます。この許可を得ないと、輸出入が完了したとはならず、輸出の場合は内国貨物から外国貨物にならず船積ができなくなります。また、輸入の場合は外国貨物から内国貨物にならず、保税地域から国内に引き取ることができなくなります。

手続きを怠ったり、虚偽の輸出入申告を行ったりして、この通関に関する手続を行わず輸出入を行った場合、それは密輸にあたり、関係する諸法律や関税法違反で処罰されます。

輸出入の申告は、個人でも、企業や団体でも輸出入をしようとする者が行うことができますが、輸出入申告手続きは非常に煩雑で、税関への輸出入申告に際し、通関書類の審査をし書類に記名押印する行為は、通関業者に所属する通関士しか行えませんし、法律等の専門的知識も必要なことから、通常は税関への輸出入申告を代行する通関業者に手数料を支払い、通関業務を委託する場合がほとんどです。

通関業者に提出する書類

輸出通関業務を通関業者に委託すると、以下の書類の提出が求められます。


1. インボイス(Commercial Invoice「商業送り状」)
品名、数量、価格、契約条件、契約単価等が記載されており、船積みされた貨物の明細を表すとともに、代金の決済、輸出入申告等もインボイスをベースに処理されます。略記号はC/I。

2. パッキングリスト(Packing List「梱包明細書」)
パッケージごとに品名、個数、重量、ケースマーク(荷印)等を記載します。数量が少ない場合は、インボイスで兼用し、作成されないこともあります。略記号はP/L。

3. 船積指図書(Shipping Instructions / Shipping Order)
船積指示書または船積依頼書ともいう。通関業者に、通関と船積みの手続きを依頼する書類です。S/Iに従って通関業者は輸出申告の手続きを進めるとともに、船荷証券(B/L)を作成します。略記号はS/IまたはS/O。

4. 原産地証明書(Certificate of Origin)
全国主要都市にある商工会議所が発行する貨物の原産地、つまり輸出品の国籍を証明する書類のことです。略記号はC/O。

5. 輸出承認書(Export License) ※必要な場合、提出しなければならない書類
輸出貿易管理令に特定されている輸出をする場合には、予め経済産業大臣の承認を受ける必要があり、申請が認められ発給される承認書を輸出承認書といいます。特定されている輸出とは、同令別表第2に掲げる特定の貨物 (国内価格調整物資、過当競争物資、輸出禁止品他)の輸出、特殊貿易(委託加工貿易)による指定された加工原材料の輸出をいいます。略記号はE/L。

6. 他法令に準ずる許可書・承認書 ※必要な場合、提出しなければならない書類
関税関係法以外の法令で、取り引きに関して何らかの規制を持つ物を輸出する場合、輸出申告の際、他法令の許可書や承認書を添付する必要があります。

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